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7.DOの測定


【はじめに・・・】

水中に溶けている酸素量のことをDOという。水の有機物による汚濁状態を表す指標として用いられる。単位はmg/l 、またはppmで表します。
  水中の酸素量は、有機物の分解過程での消費量と大気からの供給量によって支配されます。一般に気体の溶解量は、水温や気体分圧によって影響されますが、気体が、これ以上溶けこめないという、ほぼ一定で飽和値が存在します。
  したがって飽和値より低い値の水は、酸素の消費が多く有機汚濁が進んでいると言えます。
 地上の生物が酸素を必要とするように、水中生物も水中に溶存する酸素を必要とします。溶存酸素の量が多ければ、良好な水質であることを示すことになります。
  通常8.8mg/l(ppm)で、低下すると生物が生きられず、2mg/l で悪臭がでます。

<河川でのDO基準値は、次のように設定されています>

 7.5mg/l以上  自然環境保全、水道1〜2級、水産1級、水浴
 5.0mg/l以上  水道3級、水産2〜3級、工業用水1級、農業用水
 2.0mg/l以上  工業用水2〜3級、環境保全

■DOの測定法としては、次に示す2つの測定方法が代表的である。

○ウィンクラーのアジ化ナトリウム変法(下記の測定方法です)
 2価の水酸化マンガンMn(OH) は酸素の存在下で、3価の水酸化マンガンMn(OH)となる。それを硫酸HSOに溶かすと酸素量的に見合ったヨウ素が分離する。このヨウ素をチオ硫酸ナトリウムNaSOで測定することにより間接的に溶存酸素量を求める方法である。

○DOメーターによる方法
 携帯用のDOメーターを使用して、主に現地で行う方法である。メータの電極部を水中に入れると溶存酸素が電極の隔膜を透過して内部に入り、両極で反応が起こり電流が流れる。この電流が透過酸素量に比例するので、その電流から換算した値を読み取り測定する。
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【使用する器具・試薬】

・採水バケツ
・温度計
・ポリ瓶
・溶存酸素測定びん(102ml)
・マグネットスターラー
・ホールピペット(5ml or 10ml)
・1液 → 硫酸マンガンMnSO溶液(1ml)
・2液 → アルカリ性よう化−アジ化ナトリウムNaN溶液(1ml)
・チオ硫酸ナトリウムNaSO溶液(25mmol/l)
・でんぷん溶液(1ml)

DOの測定風景画像

【測定方法】
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1. 「基本操作」
●溶存酸素測定びんの中に試料を100ml計量し、軽く叩いてびんから空気を出して1液と2液を1ml 入れて、密栓をし、1分間振り混ぜる。

●茶色の沈殿物が、びんの約1/2に以下になるまで、落ち着かせる。

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●硫酸HSOを1mlはかり、びんの中に入れてマグネットスターラーにて攪拌し、沈殿を溶かす。
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●うす茶色になったびんに、うす茶色→黄色が薄くなるまでチオ硫酸ナトリウムNaSO溶液で滴定する。

●黄色が薄くなったら、指示薬でんぷん溶液を加え青色が消えるまで滴定測定する。最後の滴定測定で、青色が透明になるので、その滴定(最後の1滴)を特に慎重に行う。

●計算を行いDO(溶存酸素量)を測定する。

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『計算方法』
DOを求める計算式

 DO  溶存酸素量(mg/l)
 a  滴定に要した25mmol/lのチオ硫酸ナトリウム溶液(ml)
 V1  共栓を施したときの溶存酸素測定瓶の容量(ml)
 2  アルカリ性よう化カリウム−アジ化ナトリウム溶液1mlと硫酸マンガン(U)1ml
 f  25mmol/lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
 0.200  25mmol/lチオ硫酸ナトリウム溶液1mlの酸素相当量(mg)

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